工房通信(浄法寺のうるしを使って、、、)

今年の夏岩手の浄法寺にうるし掻きの研修にいきました。      写真の右に写っているのが,漆生産組合長の佐藤春雄さんです、他に岩館正二さんと大森清太郎さんに習いました。
 佐藤さんは75才ですけれど、写真でもわかるように元気です、うるし掻き職人さんの夏は朝の6時から夕方6時過ぎまでめいっぱい働きます。53才の私がついていくのが清いっぱいでした。                     写真は佐藤さんがカンナでうるしの木をきずつけた後ヘラからカキタルに入れる所です。そして少しでも高い所のうるしを取るために、杭の上に登って採っています。とても75才には見えません。世間では今、年金問題で大騒ぎしていますが、家の近くにいる60才の犬の散歩ばかりしている元役人とどちらが幸せか、多いに考えさせられます。                   さて今、浄法寺ではうるし掻き職人さんが14人いますが、その内11人が75才以上だそうです。それは私たちうるしを使う者にとっても大問題です。あと何年かすれば国産漆がなくなるかもしれない!なんとかしなくては!
               うるし掻き職人の佐藤春夫さん
うるし畑でカマズリをしている私
 左の写真は青森県の十和田湖近くの田子でうるしを掻く前にするカマズリという作業です。皮はぎはうるしを掻くごとにします。これを丁寧にするとうるしを採りやすくなります。昔はカマズリ2年と言って最初の2年はカマズリしかやらしてもらえなかつたそうです。
 この写真は大森清太郎さんに撮ってもらつたものです、暗くて見えませんが奥に息子さんの貴太郎がいます。ここのうるし畑1000本ぐらい漆の木があります、今年はその内の200本を掻くそうです。                       それと浄法寺うるし掻きをしている親子は大森さん所だけです。これからも頑張ってください!
浄法寺のうるしたち                 写真の樽に入った方が2006年のうるし掻きさんが採った末漆です。左の小さい方が私が採った2007年の盛り漆です。右の方は熟成した果物の香りがします、左の方は色が黒くなりましたが、すごく〜甘い香りがします。        浄法寺のうるしは今までの中国産漆と違って香りがぜんぜん違うのには驚きです!     夏に持って帰った時はもっといい色をしていました、2カ月たった色です。             塗った感じですが、すごくー伸びがいいです、それと雨の日はすごく乾きが早いくて、晴れの日は乾きがすごく遅いです、扱いにくいけれど、すごくおもしろい表情が出せます。  水研ぎしてもなかなかペーパ-がかかりませんたぶん漆が硬い、だから日本産漆の器は長持ちするのだと思います。

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